びっくりな出来事~新築建売住宅編

お陰様でホームステージング事業を立ち上げて1年、有り難い事に大変ご好評を頂いております。

そして11月に行われたホームステージング協会主催のホームステージングコンテスト売買部門でグランプリを受賞致しました。

お手本が少ない中、試行錯誤しながら無我夢中でしたが、私どものやってきた事が高く評価された事は大変光栄です。

2018年 ホームステージングコンテスト 売買部門グランプリ受賞作品 「レースカーテンの役割」 (高架道路が目の前にあり窓からの景観が悪い第一印象を与えてしまうためレースのカーテンを掛けました。更にその手前に大きな印象的なペンダント照明を下げフォーカルポイントを作りました。あまり広くないダイニングスペースにはガラス丸テーブルとチェア3脚を置きすっきりとした空間にしています。)

 

そんな矢先、先日びっくりする出来事がありました。

新築建売住宅の3棟現場のうちの1棟ですが、設営後にクライアントにより家具や小物類の位置を意図的に動かされてしまったのです。

クライアントからのメールには弊社で行ったホームステージングに対するいわゆるダメ出しの文言と共に、家具や小物類を動かした箇所などが記されていました。

一番驚いたのは、リビング入口の大きなフラワーアレンジメントを不要だから階段下の収納庫に片付けたという文言でした。

このフラワーは家に入った時に一番目立つ所に配置したもので、フラワースタンドと合わせると身長程の高さがありフォーカルポイントとして最も重要なアイテムと位置付けていました。

元々設営に至るまで非常に細かな注文が多く「出来るだけ大きくて豪華な家具でスペースを埋めて欲しい」という要望もありました。

大き過ぎる家具は実際よりも部屋を狭く感じさせてしまう事があるため、ホームステージングでは適度な大きさの家具を選び空間を残す様にします。

根本的に理想とするゴールが正反対だとは思いつつも要望に近い大きめの家具をチョイスしました。

ところがそれでも不十分だったようで、リビングにまだスペースがあるので子供室のセットをラグごと移動させてキッズスペースを作ったとの事です。

リビングを隙間無く埋め尽くしたかった様子です。

ホームステージングではお子さんが実際に遊ぶキッズスペースという発想がありません。

子供室の良いイメージを提供して夢のある暮らしを想像してもらうのが目的なので実際に遊ぶためのおもちゃは置いていません。

そしてフラワーアレンジメントがキッズスペースに似合わなくなったのでしまったという事だそうです。

他にも色々と良い点、悪い点と評価され、最後にやはりドレープカーテンが無いと物足りないとありました。

つまりこれまで行っていた高額なインテリアコーディネートと同じ事を安価なホームステージング料金でやってほしかった、という事の様です。

弊社はホームステージングの会社でありインテリアコーディネートの会社ではありませんので、インテリアを見せるのが目的では無く家の印象を良くするのが目的です。

家を買いに来るお客様は決して豪華な家具を見に来るわけではなく、部屋の広さや使い方を見ています。

わざわざ狭く見えてしまう大きな家具で埋め尽くしたり、置き過ぎの小物類で気が散って家自体の印象が薄れてしまう様な事はしないのです。

私達は低価格でもきちんと家の良さを伝える事を目的とし、仲介業者さんや個人の売主さんでも取り入れやすい価格にするため様々な企業努力をしています。

今後も中古住宅流通を後押しするためにブレずに地道に努力して行きたいと思います。

最近、新築業界からもお問合せを頂く事が増えてきましたが新築業界全体にホームステージングが浸透していくのかどうか今のところ甚だ疑問です。

弊社では数件の新築戸建住宅にも実績があり成功事例も残していますが、何れもそれまでは空室のままで売りに出していた会社でした。

そういう会社にはかなり喜んでもらえています。

豪華なモデルルームを作り続けてきた大手業者さんとホームステージングとのマッチングは当面、難しいのではないかと思ってしまった出来事でした。