アクシデント その1(後編)

前回、設営2日前にクライアントから「対象の物件が売れてしまったので代わりに別の物件をホームステージングして欲しい」と連絡がありぶっつけ本番で当日を迎えた所までお話しました。

今回は本題であるアクシデントの内容をお話します。

設営当日、初めて現地に着いてみると予期せぬ事が2つありました。

先ず室内がリフォームされていず、クロスやキッチンなど至る所に使用感がありありです。

所々にクロスの大きな黒ずみが目立っています。

ハウスクリーニングを入れた形跡はありません。本当にこの状況で売りに出しているのでしょうか?思わずスタッフと顔を見合わせてしまいました。

そこで特に汚れの酷い場所の前に人工観葉植物を置いたり家具や小物の配置を工夫して出来る限り汚れを隠しました。

当初設営予定だった物件は不動産会社の買取再販物件でしっかりリフォームされていましたが、こちらの物件は仲介物件です。

そういう事情もあります。

それからもう一つの予期せぬ事が。。通常現地に着くと先ずブレーカーを上げて通電します。当社のホームステージング には色々と電源が必要なのです。ところが上げても電気がつかない。何回やってもつきません。不動産会社の担当者様に連絡を取ると、なんと「ああ、その物件電気止めてますがそれがなにか?」

売主が誰も住まない家に基本料金を支払うのは無駄だと考え止めたとの事でした。

内見者がいるにも関わらず電気を止めてしまう事に私は衝撃を受けました。

ホームステージングでは照明がかなり効果的に作用します。

今回も素敵なフロアスタンドやデスクスタンドを用意していましたが、ただのオブジェとなってしまいました。

電気が来ていないので設営後に掃除機を掛ける事も出来ません。

写真撮影は絞りの調節で何とか乗り切りましたが、トイレだけは真っ暗で諦めました。

この物件、リフォーム代と電気代を節約した結果半年間売れず、最近どうやら500万円も値引きしたそうです。

3,000万円から2,500万円に値下げとの事なので驚きです。

綺麗に整えればちゃんと3,000万円の価値のある立派な豪邸なのに本当に勿体無いと思いました。

少し節約したつもりが結果的に何百万円も損をしてしまう状況はとても残念な事です。

そういえばつい先日は電気の基本料金節約の為に売主が最低アンペアまで下げている物件をホームステージングしたばかりでした。

私達はそれを知らずに設営後に掃除機を掛けた途端、ブレーカーが落ちてしまい、それを3回繰り返したら自動的に電気が止まってしまったというアクシデントがありました。

そういう場合、売主本人でないと東京電力は受け付けてくれないので後日電気が復旧してから写真撮影に行きました。

ホームステージング がまだまだ知られていないので仕方がないのでしょう。

内見する人の立場に立って考えてみれば室内の印象を良くする為のリフォームやハウスクリーニングは重要で、最後の仕上げがホームステージング だと思います。

居住中であっても補修や整理整頓をしてからホームステージング をします。

中には何も手を掛けずにそのまま安く売るので買った人が好きにリフォームしてね、という物件もありますがその場合はホームステージング をしても無意味でしょう。

ホームステージング はお化粧みたいなものなので、その前に基礎的なお手入れはきちんと済ませておいて下さいな、ボロボロのお顔にお化粧しても化粧映えしませんよ、という事です。

今回のブログタイトルはアクシデントその1としました。

きっと、いえ必ずアクシデントその2が近い将来訪れるだろうと思うからです。

ホームステージングは未だ日本では新しい分野ですからあまりお手本がありません。

自分達で工夫しながら手探りでやっている状態なのでアクシデントはつきものです。

また今度、何かが起きた暁には是非こちらのプログでご紹介させて頂きたいと思います。

さてさて、どんな想像もつかないトラブルが待ち受けているのやら。。